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百田尚樹著「海賊と呼ばれた男」の真実 パラフィン系とナフテン系 

 

「MIKADOのエンジンオイルはパラフィン系ですか?ナフテン系ですか?」と年数回オイルマニアの方から質問されます。答えはパラフィン系です。これはほぼどのオイルメーカーに聞いても同じです。
理由はエンジンオイルにはパラフィン系の方が①粘度指数が高い②引火点が高いという理由でナフテン系より優れているからです。

では逆にナフテン系が優れているところはどこでしょうか? ①流動点が低い②アリニン点が低い=添加剤が溶けやすい この2つです。

これが百田尚樹さんの歴史小説「海賊とよばれた男」で第二章「スタンダード(石油)との戦い」の大事なシーンに繋がります。当時極寒の地満州では汽車の車軸油が凍りオイルの役目を果たせなくなり車軸が焼け付く事故が多発していました。
この時スタンダード社が納めていたオイルが「パラフィン系」で、出光(国岡)が焼け付き解決のため持っていったのがナフテン系だったのです。
ナフテン系ベースオイルの優れた点である「流動点の低さ(オイルが固体になる温度が低いので固まりにくい)」が出光の勝利を呼び込みました。
今でも冷凍機油にはナフテン系が使われています。

ちなみにびっくりですが、このナフテン系原油は日本の秋田で採掘されています。
現在もほそぼそと採掘されているそうです。今でも日本は産油国なのですね!!

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