2026年7月以降のオイル価格と供給の見通し
今回のブログは2026年7月3日時点で私が把握している情報に基づく個人的見解です。その点をご理解の上お読みください。
2026年7月から、スズキは販売店向けオイルの卸値を約40%引き上げました(日本経済新聞報道)。この動きは業界全体の価格改定の流れを象徴しており、他メーカーでも同様の大幅な値上げが続いています。
今後オイル価格とオイル供給はどのようになるでしょうか?
オイルの価格動向
年内はまだ大幅に上がります。その主な理由はベースオイルの価格改定で、7月に続き、10月は過去最大級の価格改定になりそうです。
特に高性能オイルに使用するグループⅢベースオイルは、詳細は書けませんが、100円/Lを超える改定となりそうです。これは中東のグループⅢ製油所(世界の20%程度の製造量)が停止中で、その再稼働まで楽観的にみて1年、多分2~3年程度かかるため世界的に取り合いをしています。つまり株価と同じで欲しい人が多いとどんどん価格が上がります。
鉱物油に関しては為替と原油価格による部分が多いのでグループⅢよりはましですが、年内は高騰した時期の原油を使用するためやはり大幅に上がる予定です。さらに為替も円安で影響しています。これ以外に添加剤などもさらに上がりつつあります。今後、オイル価格が下がるとすれば、2027年の春以降からではと思われます。
オイルの供給状況について
全体的には製造・出荷は前年並みまたはそれ以上出ており、春より供給にゆとりが出ている感じです。ただ流通在庫は昨年より減少しています。
DH-2 一番不足感が強いオイルですが、6月から石油元売りの出荷が増えており、7月は昨年程度の出荷をしている感じです。今後より入手しやすくなると思います。
DH-2以外のオイル 一部のディーラーや整備工場、量販店で不足が目立ちますが、これはシェルの供給先が多いようです。シェルはカタールのGTL(グループⅢ)工場が停止しているため特にベースオイル不足が大きく響いているようです。それ以外ではわりと回復しているのではと思います。ちなみに弊社ではほぼ通常に戻っています。
全体の状況
オイルの供給は、油種や店舗によりかたよりはありますが、かなり正常化しつつあります。3月4月と例年の数倍の発注が入ったため全体的に大混乱しましたが、現在は発注も通常程度に落ち着き、残っている発注がなくなれば正常化すると思われます。
今回の「オイルショック」は世界的な問題ですが、欧州などと比べると、日本は大量の備蓄原油があったことや、グループⅢの供給先が隣国の韓国からのおかげで、まだましな方だと思います。
最後に
6月時点では「最悪期から回復に向かう」と書きましたが、7月以降も価格面の厳しさは続きます。一方で、供給そのものは徐々に落ち着きつつありますので、「必要な量を、必要なタイミングで確保する」という冷静な対応がいちばん大切だと感じています。
おまけ
今だから書きますが、備蓄原油については、業界では「長期保管で成分が変化し、どの程度使えるのか」という懸念の声も以前からありました。この機会に国が点検してくれれば安心なのですが…。まあ私がいっても誰も聞いてくれませんが…。
ちなみに映画、「海賊と呼ばれた男」で出光が旧海軍の石油タンクの底を努力してさらえる話に近いことです。原油中の重い成分がどんどんタンクの下にたまりこれが問題になります。
