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ベースオイル新情報 その2 2019年秋 超マニアック

 

2019年9月11日の「ベースオイル新情報」は反響が大きいため追加を書きます。
「もっと具体的に教えて!!」と言うお叱りを頂きますが、業界用語で「コンフィデンシャル(Confidential)」、つまり「ここだけの内緒話・オフレコで!」で教えて頂く超秘情報のため残念ながらかなりぼかした内容となります。

GTLの新しい動き
価格と性能の面で待望のGTL(天然ガスから製造されたベースオイル)は流通に新ルートが出来るかもしれません。これまでは「貝印」社しか扱えませんでしたが、業界がびっくりの国際的ルートが出来るかもしれません。半年とか1年先に結論が出そうです。

CTLのその後
2019年4月から中国でパイロットプラントが稼働しているCTL(石炭を液化して製造したベースオイル)はすでに日本にサンプルが入り某元売りでテスト中です。うわさでは低温に少し弱点があるようですがPAOとの比較での弱点と思ってください。2020年中にある程度日本に入る可能性があります。

PAOの動き
PAOは慢性的な供給不足です。PAOはLAO(リニアアルファオレイン)を原料として製造しますがこのLAOはこれまで世界で3社しか製造していなくて、その上昨年英国のLAO工場が火災で停止しタイトになりました。しかし現在数社で新LAO工場が建設(または建設中)で、さらにPAO製造工場も新設されつつあり1~2年で供給が増加すると予想しています。うまくいけば価格が下がる可能性があります。
PAOには高性能の兄貴分「mPAO」があり弊社ではすでに数年前から使用しています。これに対して近日中に弟分の「新PAO」が秘かにデビューしそうです。(PAOという名前ですらないかも…)すでに元売りで極秘テスト中のようです。性能はPAOよりは少し下のようです。

グループⅢ++の動向
これ以外も某隣国の〇〇社がグループⅢ++を開発中ですが新しい情報が出てきていません。うわさではパイロットプラント段階で問題がありそうで、こちらはしばらく動きそうにありません。

 

まとめ
ざっくり言うと、「グループⅢ(VHVI)より高性能でPAOよりは下」のクラスに動きがあります。問題は性能と価格の釣り合いです。それが今後ベースオイルとして採用するかの分かれ目です。現在のグループⅢの性能を打ち破るオイルが出来そうな気がします。

私の想像では今このような動きが出ているのはJASO・GLV-1(0W8、0W12)の開発も絡んでいるのではと思います。元売りや自動車会社の技術者様、真相はどうなのでしょうか…?

今回は歯切れの悪いブログですみません。業界人でも知らない方が多く、オイルマニアの方でもまずご存知のない超マニアック情報でした。

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