二硫化モリブデンとなり金属表面に被膜を作ります

今回はMoDTCとZnDTPの相乗効果について書きます。この2つを組み合わせると効果がぐんと上がることはマニアならご存知と思います。

大きく分けて3つの効果があります。
1つは摩擦係数がMoDTC単体の場合より合わせた方がぐっと下がります。
2つ目の効果はMoDTC単体では油温が80℃以上で二硫化モリブデン（MoS2）が生成され摩擦係数が下がる化学反応が起きますが、MoDTC+ZnDTPでは油温60℃でこの反応が起きます。20℃の差ですがこの差が体感ですごい差となります。
3つ目は二硫化モリブデンの被膜は金属表面についていて、金属同士の接触でこすれはがれていきますが、MoDTC+ZnDTPではこの被膜ははがれても安定して再生し低摩擦係数の状態が長持ちします。

上記の内容も多くの会社では企業秘密の範囲内ですが、最大の企業秘密はこの2つのブレンド割合です。モリブデン（Mo）と亜鉛（Zn）の割合を間違えると効果が半分程度に下がります。ここは長年の経験と豊富な知識が必要な本当の企業秘密です。業界でも知らない方の方が多いと思います。私はいつもPPM単位で計算しています。ここだけは残念ながら内緒です。

モリブデンは「劇薬」です。「使用上の注意をよく読んで正しくお使いください」！！