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「すべてに良いオイル」はない!!

高性能でお財布に優しいオイルが理想です

 

結論から言うと「すべての性能を満たすオイル」はありません!
ある性能を上げると別の性能が犠牲となります。もちろん技術と経験で出来るだけ両立させていますが…

弊社のホームページには「すべてに良いオイル」はありません。例えば燃費とエンジン保護性能は両立しません。と書いています。この話をより詳しくお話します。

まず「省燃費オイル」を作るとします。省燃費にはエンジン内の抵抗(摩擦)を出来るだけ減らすことが重要で100℃の粘度(KV)よりも40℃の粘度を下げることが大切です。
40℃の粘度を下げるにはベースオイルをより低粘度(薄い)のものを使用し、かつ低温時に柔らかい特性を持つタイプの粘度指数向上剤(PMA系など)を使用します。
このエンジンオイルは省燃費には優れています。しかし低粘度のため、高粘度オイルに比べて混合潤滑(金属同士がカチカチ当たる状態)や境界潤滑(金属がゴリゴリこすれる状態)になりやすくなります。つまりエンジン保護性能がおちます。
逆にオイル粘度を上げると摩擦係数が上がり燃費は落ちますが油膜が強靭になるので金属同士のカリガリゴリゴリが減ります。つまりエンジン保護につながります。ちなみに弊社のオイルは基本的に省燃費より保護性能を優先しています。

ちょっと意味が違うかも知れませんが、レースの世界では決勝のスタート順を決めるタイムアタックに低粘度オイルを使用します。オイル抵抗が少なく立ち上がりや直線でのスピードが上がるからです。もちろん燃費も伸びます。
しかしレース本番ではより高粘度オイルに交換します。予選用オイルでは薄すぎてエンジンが焼け付くからです。タイムアタック用と決勝用では求めるオイル性能が違うからです。

もちろん低燃費とエンジン保護を出来るだけ両立させるために、省燃費効果のあるエステルや摩擦低減剤(FM剤)を入れたり、エンジンの焼け付きを防ぐ添加剤をいれたりします。またベースオイルにPAOやmPAOを使用し出来るだけ両立させています。ただこれには費用がかかります。

つまり両方の性能を追求するとこんどはどんどん原価が上がってきます。高すぎるとオイルが売れなくなります。性能を上げて価格を下げる!これも両立しないです(泣)

追記 あと環境性能、オイル消費量、寒冷時始動性などいろいろ複雑な条件があります。
   お財布に優しいというのも立派な性能ですね!

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