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固体潤滑剤とは その5 二硫化タングステン 高価だが高性能!

「W」がタングステン、「S」が硫黄

 

「二硫化タングステン」は高性能です。実は意外と古くからありますが価格が高いためオイルにはあまり使用されていません。そのため知らない方が多いと思います。

 タングステンは比重が鉄の2倍で、硬さもダイヤモンドに次ぐ硬度があり金属のなかで一番融点が高い特徴のある金属です。このタングステンと硫黄が六角形の網状の層を作ります。この層と層が軽く滑ることで摩擦低減します。

 利点は実用耐熱温度が約450℃でモリブデンより100℃も高く、摩擦係数は摩擦低減剤の中で最も低く、さらに耐荷重性能が800MPaでPTFEの4倍、窒化ホウ素の3倍弱あり、スラッジの発生も少ないという非常に高性能な潤滑剤です。

欠点はオイルが真っ黒になることと価格が非常に高いと言うことです。そのため超大型機械や宇宙関連などより高性能が求められる用途がメインとなっています。

 「二硫化タングステン」は簡単に言うと「二硫化モリブデン」の高性能版です。ちなみに化学でおなじみの周期表でもタングステン「W」の1つ上がモリブデン「Mo」です。周期表では同じ性質のものが縦に並びます。

最下部左から6番目「W」がタングステン、その上「Mo」がモリブデン

 

次回はこの高性能な「二硫化タングステン」の新展開について最新技術を交えて書く予定です。お楽しみに!

 

 

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