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元売りオイルの値上げと船舶燃料  風が吹けば桶屋が…

 

船舶燃料の低硫黄化が…

 

2019年年末から2020年初めにかけて各石油元売りが販売するベースオイルと製品(オイル)価格が為替と原油価格の変動以外の理由で大きく上がります。

値上げの理由は意外にも船舶の燃料の低硫黄化です。船舶の燃料はこれまで硫黄分たっぷりのC重油でした。しかし環境汚染対策のため2020年から燃料の硫黄分を0.5%以下にする規制が世界的に始まります。

「それがどう関連するの?」ということですが低硫黄化のためC重油に灯油・軽油を混ぜます。(別方法は精製装置の改善ですが莫大な金額が掛かります)そのため灯油・軽油が不足するのでこれまでベースオイルとして使用していた部分を灯油・軽油に振り替えたためベースオイルが不足し価格上昇しています。

つまり ①船舶燃料の低硫黄化⇒②灯油・軽油の使用⇒③灯油・軽油不足⇒④ベールオイルからの振替⇒⑤ベールオイル不足⇒⑥オイル価格高騰 です。

風が吹けば桶屋がもうかる(今はあまり言わないですが…)です。とはいえ価格上昇で元売りが儲かるわけではないですが…

じゃあ「MIKADO OIL」も上がるの?と聞かれそうですが大丈夫です。理由は使用しているベールオイルのほぼ全量がグループⅢ、Ⅳ、Ⅴだからです。不足して値上がりするのはグループⅠ、Ⅱです。

これで「あーなるほどね、だから元売りと純正オイルね!」とわかる人はかなりのマニアか元売り関係者です!!

念のため、この話は元売りからの卸売り価格のお話ですので小売価格が上がる時期と少しずれると思います。

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