SQ GF-7規格の普及の遅れ さらにSP規格の延長 なぜ?
API SQ GF-7規格は2025年3月末にリリースされましたが、半年後の現在もあまり普及していません。また先月SP GF-6の使用許可期間がさらに6ヶ月延長されて、2026年10月1日まで有効となりました。その理由は何でしょうか?
これには特に自動車会社の思惑が関わっていると思います。
SQ規格の普及が遅れている一番大きな原因はトヨタをはじめ自動車メーカーがまだ採用していないことです。自動車メーカーはSP規格で十分な性能があると考え、さらに純正オイルを製造する石油元売会社も自動車メーカーの意向で切り替えていないと思われます。今回SP規格の使用許可期間が半年伸びたのもAPIへの自動車会社からの働きかけです。
性能面からは確かにSQはSPと比べて少し向上する程度で、これを「ほぼ差がない」と考えるか「少し向上」と考えるかだと思います。ちなみに主な違いは ①ピストンスラッジの減少 ②タイミングチェーン摩耗が0.085%から0.08%に変更 ③LSPI防止性能が新油だけでなく使用油もテストずみ です。これを弊社のSP規格オイルの性能で見た場合、すでにSQの主な性能をクリアしています。この程度の差です。
今後の動きを予想すると、2026年春から夏にかけて自動車会社も元売りもSQ規格が出そろい、それ以外のオイルメーカーもSQオイルの販売が始まると思います。その理由はSPは2026年10月1日以降、APIマークが使用出来なくなるためです。純正オイルも非公認になるためそれまでに切り替える必要があるからです。
現在トヨタでは1油種のみSQ規格登録がされているようです。またモービル1も切り替わるようで、少しずつは切り替えがはじまっていますがSNからSPへの切り替えのスピードからはずっと遅い状態です。
最後に
SQ GF-7規格の次のGF-8規格は2028年リリース予定です。GF-8はかなり進化した規格となりそうです。この規格がガソリンエンジン用の最終規格になるかも知れません。
おまけ
弊社ではSQのテスト製造中です。規格は最低の性能基準のため、より高性能を目指しています。