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エンジン摩耗について その6 高粘度化とHTHS粘度

オイル選びにはHTHS粘度を知ることがとても大切です!

 

同じ粘度のオイルならACEA A3/B4 SP規格使用でエンジン摩耗を数分の1まで減少します。しかしオイルの粘度を上げることでも摩耗を減らせます。

 

エンジン保護に大切な粘度はHTHS粘度です。通常オイルは100℃と40℃の粘度でどの程度の粘度があるか判断しますが、正確にはHTHS粘度が大切です。HTHS粘度とはオイルを150℃まで加熱して円錐形の金属ではさみ、圧力をかけて押し付けた上で高速回転させ、粘度指数向上剤が伸びきった過酷な状況下で実際どの程度の油膜が保てているかを計測しています。つまりエンジン摩耗がおきそうな時どれだけオイルが保護できるかを計測している粘度で、まさに実効粘度といえる粘度です。

 

 下記の表はT-BLEND SP規格オイルのHTHS粘度です。

ハイブリッド車ではエンジン負荷が少ないのでHTHS粘度が2.6以下でも大丈夫ですが、通常のエンジンではHTHS粘度が2.6を切ると摩耗が早く進みます。またターボ車では軸受け保護のためHTHS2.9以上ある方がより安心です。

またレースや山道走行など過酷な走行ではより高いHTHS粘度が必要です。0W20と5W30ではHTHSは5W30が20%ほど油膜が厚く、さらに5W40では45%ほど油膜が厚いのでエンジン保護に優れます。レース用オイルで50番や60番を使用するのはこのためです。ぶ厚い油膜がエンジン摩耗やエンジンブローを防ぐからです。

  

おまけ エンジン保護と燃費は相反する性能です。SP規格は「省燃費オイル」、ACEA C3 SPは「省燃費とエンジン摩耗が高性能で両立したオイル」、ACEA A3/B4 SPは「エンジン摩耗対策」が非常に優れたオイルという特徴があります。どの性能を重視するかでオイルの規格や粘度が変わります!なにもかもメーカー指定が正しいわけではありませんよ!

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