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2022年4月 業界裏話 ギアオイル不足の現状 

2021年秋から続くギアオイル不足の最新情報です。結論から言うとギアオイル不足は残念ながら解消していません。自動車用のみならず農業用、工業用まで広範囲に不足しています。

 

☆石油元売りの状況 

2021年10月末から続く石油元売りからのギアオイル出荷停止ですが、3月末と4月初めに工業用ギアオイルを含めたより広範囲の出荷停止の案内が出ており出荷再開の目途は立っていません。また元売りのギアオイル製造量は前年量を大きく下回っており自動車メーカーや工作機メーカーの初期充填油用に優先出荷しているため一般市場向けに出荷する余裕がない状況のようです。個人的な見通しでは2022年中の解消は厳しいと考えています。

☆元売り以外の国内製油所の状況

元売り以外の国内製油所ではギアオイルを製造を増やしている感じです。従来のL社やA社ではない某社製ギア用パッケージが輸入され元売りの出荷停止分をおぎなっている感じです。新しい某社製パッケージはGL-5テストに合格済で性能面で問題ないと思います。さらに某社製パッケージ以外にも期待出来そうな新情報が入っています。(弊社では従来のアメリカ製パッケージをなんとか確保して製造しています)

☆自動車用以外でも農業用、工業用ギアオイルが不足しています。工業用ギアオイルは自動車用から見ると数%~50%程度しか極圧剤を使用しないオイルですがそれでも不足しています。それだけ足りないと言うことです。ギアオイルは日本だけでなく世界的に不足しています。最初は世界的ギア用パッケージメーカーA社の工場が生産を一時停止したから思いましたが今思えば単に理由の1つに過ぎず、それ以前の添加剤原料不足に、さらに海上運送の大混乱も響いています。ただそれだけでは説明が付かないくらいの混乱が続いています。まだ見えない部分で問題があるようです。

 

おまけ 

元売り以外の他の製油所がギアオイル出荷出来て元売りが出来ない理由はなにでしょうか? 理由は ①製造はしているが需要に追い付かないため初期充填油を優先出荷していため(こうしないと自動車や機械の出荷が止まります) ②元売りは製品性能を各納品先と決めているため簡単にギアオイル用パッケージを変更できない からと思われます。

おまけ その2

世界の海運状況は大混乱が続いています。従来アメリカ西海岸で船積みの添加剤が西海岸の莫大な滞貨のためアメリカ東海岸からヨーロッパを経由、スエズ運河を通り、中国に寄港して日本に来る経路になっています。アメリカから日本まで9か月かかることがあります。急ぐときは海外から航空便で輸送しますが20L缶で運賃が9万円程度かかりいつもは使えません(^^;

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