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ACEA規格オイルはお勧め!  製造者から見たACEA

 

いろいろなオイルを製造しているからこそACEA規格オイルの良さがわかります。ACEAは欧州車向け規格のため日本ではややなじみがうすいですがエンジン保護に非常に優れたオイルです。

欧州車はアウトバーンなどの高速道路を時速200キロ以上のスピードで長距離走ることを前提としています。当然この使用条件にあったエンジン設計です。そのためACEA規格オイルは200キロ超のスピードでガンガン走ってもエンジンが摩耗しないオイルでないといけません。

5W30を例にとると「ACEA C3・A3/B4」の5W30はHTHS粘度が3.5以上ありますが「API規格 SP・SN」では同じ5W30でもHTHSは2.9程度です。ざっくりですがACEAの5W30はSPの5W40に近いエンジン保護性能があります!

またACEAオイルはロングライフ性能が求められます。そのためオイル製造時に何が必要になるかと言うと ①ベースオイルはグループⅢ以上を使用(鉱物油レベルでは製造出来ない) ②粘度指数向上剤に高性能品が必要(粘度低下が少ない) ③清浄分散剤が多い(長時間使用するため多めに配合) となります。そのお陰で製造コストは高くなりますがその分良いオイルになります。

最後にACEAの欠点を言えば ①製造コストが高い ②規格がわかりにくい(アプルーバルとの関係) ③ロングライフ性能が誤解されやすい(書くと長くなるので別の機会に) ④むやみに価格が高い(そうでないオイルもあります) ⑤省燃費性能ではAPI規格よりやや劣る くらいです。最後の省燃費性能に関しては、日本では短距離走行でかつ、信号などで停止・発進が多いためHTHS粘度が薄いSPやSN規格はエンジン内部の抵抗が少く燃費が良くなります。つまりエンジン保護と省燃費性能は両立しない性能でACEAはエンジン保護優先、SPやSNは省燃費優先と言えます。

個人的にはエンジン保護優先の方が大事ではと思います。国産車にもACEAオイルをお勧めします。

 

おまけ その1

HTHS粘度は高温高せん断粘度とも呼ばれオイルを150℃に加熱し圧力をかけ押し付け回転させ計測した粘度でカムやリフター・軸受け・ピストンリングなどでの実効粘度です。

おまけ その2

「ACEA C3 SN」や「ACEA A3/B4 SP」はACEA規格?それともAPI規格?と思われますがACEAのC3やA3/B4が付いていればそれはACEAオイルです。

おまけ その3

最近はACEAでも省燃費タイプのオイルが少しずつ増えてきています。例えばC2やA5/B5などは5W30でHTHSが2.9以上となりAPI規格オイルに近い省燃費オイルです。

 

 

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