硫酸灰分量を計算で出す方法 カロリーゼロ??
今回はオイル中の硫酸灰分(サルファーアッシュ・SA)量を計算で出す方法です。
前回のブログでは硫酸灰分の原因物質のうち代表的なものを10種類紹介しましたが、現実的には①カルシウム ②マグネシウム ③亜鉛の3つで十分です。
この3つはオイル添加剤の主成分で、それぞれ①Caスルホネート ②Mgスルホネート ③ZnDTP などの形でオイルに大量に入っています。これを計算すれば比較的正確な硫酸灰分量が計算できます。(正確にはオイルを加熱し、硫酸を加えて完全に反応させ灰分を計測)
例 あるオイルの成分が①Ca 0.06% ②Mg 0.07% ③Zn 0.15% ですとこうなります。
このオイルの硫酸灰分は「0.78」でACEAオイルならC規格となりDPF対応オイルです。
最後に新油では硫酸灰分は「0」です。ここが大切です!これをダイエット食品に例えると、この食品自体はカロリーゼロですが、これに大量の砂糖や蜂蜜、クリーム、あんこ(私は粒あんが好きです)等をのせるとすごいカロリーになります。
オイルも最初は硫酸灰分は「0」ですが、同じ距離走行しても、高速道路を定速走行している時はあまり酸性物質は出ませんが、始動時や発進停止を繰り返すと大量の酸性物質が発生し、オイル中に大量の硫酸灰分がたまります。つまりオイル中の硫酸灰分は走行状況で発生量が大きく変わります。
最後に硫酸灰分はDPFやGPFを詰める悪者とされますが、DPF詰まりの原因のわずか13%です。それよりベースオイルからでる未燃焼オイルの方が原因の25%と倍近く影響があります。つまりグループⅠ・鉱物油はGPFを詰める大きな原因です!同じ規格のオイルでもグループⅡ、そしてグループⅢベースオイルで製造されているオイルを使用すればDPFの詰まりを減少出来ます。