硫酸灰分(SA)の原因物質 難しすぎて多分誰も読まないブログ!
今回は、前回の「硫酸灰分とは?」の続きです。超オイルマニアでも業界人でもほぼ知らない情報です。多分読んでも意味不明と思いますがいつか何かの役に立つかも知れないので書いてみます。あと「硫酸灰分=SA=サルファーアッシュ」で同じものです。
よく誤解されますが新油中の硫酸灰分は0%です。燃料が燃焼すると硫酸などの酸性物質ができ、これがエンジンを腐食させるため、アルカリ分をオイルに配合しています。酸性とアルカリ性が中和した結果、硫酸灰分が出来ます。では具体的にどのような成分が硫酸灰分を生成するのでしょうか?
実は多くの成分が硫酸灰分となりますが、大量に硫酸灰分を出すものと少ないものがあります。それが下記の表です。例えばオイル中にZn亜鉛の成分が0.1%入っていたとすると0.1%×係数1.5=硫酸灰分は0.15%となります。(成分がすべて中和に使用された時の濃度です)
現在よく使用されるものにカルシウムスルホネートやマグネシウムスルホネートがありますがこの2つでも同じ量入れても硫酸灰分量は違ってきます。またエンジン摩耗対策にモリブデンをいれるとこれも硫酸灰分となってきます。
逆に某元売り会社が数年前に開発したアッシュレスオイルには上記の元素(これ以外にもマンガンやバリウムなど)も使用ができないということで、清浄分散性能を他の物質で置き換えて製造されていると思います。これはまねができないすごい技術です。ただ完全に置き換えられているかは不明です。オイル交換距離が普通のオイルより短めなのはこのあたりが影響しているかもしれません。
1つの性能にすぐれていることは宣伝になりますが他の性能が落ちている場合があるのでオイル全体のバランスがとても大切です。さらにいうと新油の性能も大切ですが使用油でも性能低下が少ないことがとても大切です。