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次期規格 GF-7の進行状況 2024年3月 その2 問題点

 

次期規格「GF-7」の最新の進行状況です。

GF-7規格の最終決定に向けた投票が2024年2月16日に始まり3月18日に締め切られます。ここで正式決定すると2025年3月31日から新しい「GF-7」規格の販売開始可能となります。まだ1年先と思われるでしょうが、新規格は決定後1年間の「待機期間」があるため2024年3月末までに決定しないと販売開始が遅れます。

現行規格との主な違いは下記のようになっています。

GF-7の概要

  1. シーケンスⅢH ピストンデポジット(堆積物)のさらなる削減
  2. シーケンスⅥE 省燃費性能のさらなる向上
  3. シーケンスⅨ  使用油でのLSPI防止性能 (現在は規定なし)
  4. シーケンスⅩ  タイミングチェーン摩耗減少(0.085%から0.08%へ厳格化)
  5. 硫酸灰分の上限 最大9%という規定の新設
  6. 新しいMRV粘度計の使用 
  7. オイルのゲル化対策テストの新設
  8. 新しいシールテストの追加 ASTM7216への追加

以上の項目ですが現在一番遅れているのが7.のゲル化対策です。実は「ゲル化試験」が完成していないため早期に完成するという保留条件が付きです。また1のデポジット削減、2の省燃費性についてもどの目標数値を採用するかで異論が出ているようです。

これ以外にも現行規格と新規格が並行してライセンス出来る期間を従来の1年から3年にするという提案が日本自動車工業会(JAMA)から出されているようです。ただ予想では新規格に速やかに移行する必要があるという理由で否決されそうです。

また従来からの問題点であるNOACKテストの精度が悪いという点も今回改善されません。

今回の投票で最終決定するか、次回に持ち越されるかは次回3月22日にデトロイトで開催予定のAOAP会議でわかります。

 

今回もだれも読まないブログと思います。ただ新規格と現行規格の違いを知ることはオイル開発に大切です。現行規格の問題点を理解できないと改善出来ないからで、すでに新規格をまたずに対策済みの項目もいくつかあります。

 

おまけ ゲル化についてはオイルマニアブログ2023年5月11日「ゲル化とは」を参照してください。

 

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