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API登録方法 その3 裏話 古い方が良い?

SWRI社のテストエンジン さまざまなテスト機があります

 

今回は業界裏話です。ちょっと意外な話です。

新規格が出ると世界的添加剤会社はすぐにその規格に合格するフォーミュレーション(ブレンド)を開発します。開発が終わるとAPI公認ラボ(アメリカにあるIAR社またはSWRI社)のAPI公認テスト機でテストを行います。この公認テストに不合格の場合、1項目につき数百万円、全体では数千万円から億を超える多額の再テスト費用がかかります。

また公認テスト機での結果は合格・不合格にかかわらずすべてAPIに結果報告されます。そのため新規格の開発初期は公認テストに「絶対合格」するように添加剤たっぷりの高性能なとても贅沢なフォーミュレーションを開発します。

しかし新規格が出て1、2年程度たつと製造コストが安い「ぎりぎり合格」する新しいフォーミュレーションが出てくることが多いです。例えば2020年5月にリリースされたSP規格が出たすぐは0W20の製造にはベーグループⅢベースオイルが必要でしたが1.2年後には鉱物油や部分合成を使用して安く製造可能なフォーミュレーションが出ています。(もちろん弊社では使用していません)

常識的には新しいほど高性能と思えますが「新しいフォーミュレーション」より「古いフォーミュレーション」の方が高性能という意外なことがオイルでは良く起きます。これが意外な裏話でした!

 

おまけ

世界的総合添加剤会社は4社あり、それぞれの会社が最高級から廉価品までさまざまなフォーミュレーションを持っています。オイル製造会社はどの会社のどのグレードを選ぶか、そしてそれをベースにどのようにプラス(一部の会社ではマイナス)の味付けをするかでオイルの性能が決まります。もちろん製造原価も大きく変わってきます。同じ規格のオイルでも性能は全く異なるのはこのためです。

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