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オイルと消泡剤  ビールの泡は美味しいが…

オイルの泡は危険です

 

ビールの泡は美味しいですが、オイルの泡は非常にまずいです!!

オイルに泡(気体)が混じると、オイルポンプが空転しオイル切れ・不足の原因となり、各部の冷却効果も落ちます。また可変バルブ機構など作動油的に使用されている部分では正常に作動しなくなります。さらにオイルと空気の接触面積が増えオイルの酸化(劣化)が急速に進みます。オイルの泡はエンジンやギアなどに多大な損傷を与える原因となります。

オイルの泡については①泡の起きやすさ(起泡性)②泡の消えにくさ(泡沫安定性)の2つを考慮する必要があります。①に対しては抑泡剤 ②には破泡剤 で対応します。この2つを合わせて「消泡剤」と言います。

現実にはオイルのフォーミュレーション(ブレンド)を考える時は、DIパッケージ(ベースオイルで溶けばオイルが出来るパッケージ添加剤)にはすでに適量の消泡剤が配合されており別に計算する必要はありません。ただパッケージを使用せずコンポーネント(パッケージ添加剤でない単独の添加剤)でフォーミュレーションする際は必要で、今回あるオイルで使用したため「消泡剤」について書いてみました。当然ながら弊社も含め市販オイルはすべて泡については考慮されています。

ちなみに添加量は0.01%前後で消泡剤を1ドラム買うと10000ドラム程度製造しないと無くならないので製造者泣かせです!

 

超マニア向けおまけ 潤滑油の発泡特性のテストはASTM D892です。数年前このテストをある研究所で立ち合いましたがオイルは想像以上に泡が立ちます。ここに数適消泡剤を落とすとあっという間に泡が立たなくなります。消泡剤は影の実力者です! 

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