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今何が起きているか? 2022年1月 大幅な値上げの理由

左からブライト、GⅠ、GⅡ、GⅢ(VHVI)、GⅣ(PAO)

2022年1月から5月位にかけてオイル価格はかなり上がりそうです。元売り各社もA社は1月から1回目として小幅に、B社は2月、C社は3月から大幅に、D社は数回に分け徐々に値上げをするようです。(念のためABCDは頭文字ではありません!知っていても書けないので…)

ここである程度ご存知の方は「そもそも元売りのオイルは毎月価格改定しているよ」と言われると思いますが今回は全く異なります。ここが業界以外の方にはわかりにくいところです。

確かに元売り各社のオイル価格は毎月改定ですが「本来のオイル価格=ベースライン」は全く変わっていません。実はCIF(シフ)と呼ばれる「原油価格(+為替)変動分」だけを毎月改定しています。今回はこの「ベースライン」がかなり上がります。ここが大きく異なる点です。つまり今回の価格変更は「ベースラインアップ+CIF(原油等)変動分」となります。例えばベースラインが25円UPでCIFが5円マイナスであれば合計20円UPとなります。ベースラインの変更が本当の価格変更なのです。

今回のベースライン改定の最大の理由はグループⅢ(VHVI)の大幅値上げで、次が添加剤、最後がドラム等の容器や流通コスの上昇です。そのため鉱物油は値上げ幅が少なめと思います。

オイルはベースオイルや添加剤など多くの原材料が輸入品のため世界の価格変動がそのまま響きます。世界中で不足気味のベースオイルや添加剤はどうしても価格が上がります。今回は元売りを例に書きましたがオイル業界は弊社を含めてみんな同じ厳しい状況です。

 

超マニア向けおまけ

グループⅢが大幅値上げする理由は「CIF」連動が、今年から「ICIS(アイシス)」と呼ばれる世界市場相場価格に連動に変更されたためです。株価と同じように需要と供給で上がり下がりします。現在日本と欧米ではグループⅢに数十円の価格差がありこのままでは世界中で取引されるグループⅢは価格が高い国にすべて買われ日本は買えなくなります。昨年7月8月のオイル切れの原因の1つもここにあります。なおブログでは非常に簡単に書いていますが本当は書ききれないくらい複雑です。

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