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固体潤滑剤とは その2 二硫化モリブデンについて 

赤いモリブデン層と黄色の硫黄層が積み重なります

力がかかると柔らかい硫黄層が横ずれします

「二硫化モリブデン」は層状格子構造で「硬い結合のモリブデン層(赤色)」と「柔らかい結合の硫黄層(黄色)」が層状になっていて、柔らかい硫黄の層が横ずれして摩擦低減します。まさに上の写真の通りです。

 オイルには液体の「有機モリブデン」が主に使用されています。しかし今でも固体の「二硫化モリブデン」は極寒冷地向けギアオイルやグリスや工業用に多く使用されています。摺動面などあまり熱が発生しない部分には固体の「二硫化モリブデン」がとても有効です。

 では固体潤滑剤「二硫化モリブデン」の利点と欠点はなにでしょうか?利点は割と安価で手に入りやすく、摩擦係数も0.04程度と低く、かつ耐荷重性能も高く低温から割と高温まで使用できます。

 欠点は色が真っ黒で手につくとなかなか取れません。また天然鉱石から製造するため精製しても不純物が残り、また固体のため微粒子化する技術と分散技術の差が大きく性能に出ます。これがうまく出来ないと沈殿やフィルターのつまりとなります。また酸化安定性もやや悪く300℃で20時間置くと約20%が別の「三硫化モリブデン」に変質します。

今ではあまりエンジンオイルに使用されない「二硫化モリブデン」ですがうまく使えば効果大です。

 次回はPTFE(テフロン)の予定です。お楽しみに!

 

 

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