タイミングチェーン摩耗について その1 チェーンの種類とSP規格
摩耗で伸びたタイミングチェーン(写真はサイレントチェーン)
API「SP規格」の大きな特徴の1つが「タイミングチェーン摩耗対策」です。SP規格ではタイミングチェーン(以下チェーンと記載)の摩耗を「Seq.Ⅹ」テストで計測します。具体的にはフォード2Lエンジンを216時間(9日間)連続運転してチェーンが運転前と比較して0.085%以下の伸びに抑えるようにしています。ちなみにSN規格では0.15%程度摩耗します。チェーンの伸びをSN規格の半分程度まで抑えたのがSP規格で非常に優れた性能です。ブログでは数回に分けてチェーン摩耗とSP規格について解説します。
現在新車の80%以上はタイミングチェーン(以下チェーンと記載)です。タイミングベルトと比較して①耐久性が数倍ある ②コンパクトサイズに納まる 等の利点があります。
チェーンには大きく分けて3種類あります。
- ローラーチェーン 一般的なチェーンでガソリンエンジンに多く使用されます。音が大きくブッシュやローラー内部に異物が入ると急速な摩耗が起きます。
- サイレントチェーン 複数のブレードをピンで固定した構造で噛みあい音が小さく構造も簡単です。ただ面圧が高いためオイルに難しい問題が起きます
- ブッシュチェーン 主にディーゼルエンジン用でローラーを廃止しその分ピンやブッシュを大型化し摩耗を少なくし強度を保ちます
次回のブログではなぜチェーン摩耗が近年問題になってきたかということと摩耗のメカニズムを説明します。お楽しみに!
CMタイム
「T-BLEND SP規格」ではSP規格の0.085%を超えた 0W20で0.079%、5W30では0.068%の性能があります。1ランク上の性能です。