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ピストンリングとオイル粘度 最新技術情報 

今回のブログは超マニア向けです。

 ピストンリング(オイルリング・コンプレッションリング)は1990年代から徐々にその厚みが薄くなりどちらもこの30年の間に厚みは約半分まで薄くなりました。これにはピストンリングとシリンダ間の潤滑をどう見るかと言う設計思想の変化があります。

 従来(1990年代以前)はピストンとシリンダ間の潤滑を「流体潤滑」と考えていました。(ただし上死点・下死点付近ではピストンは静止~低速のため「混合潤滑」です)

シリンダとリング間は油膜をはさんでお互い触れ合わない「流体潤滑」と考えリングを設計していました。流体潤滑ではリングの素材は接触しないため関係なく、オイル粘度が高いほど油膜の保持に有利となります。(抵抗は増加しますが)そのためある程度以上のオイル粘度が必要と考えていました。

 ところが1990年代以降ピストンとシリンダは常に軽く接触している「混合潤滑」と考えるようになりました。この場合リング材質の摩擦係数が低く、かつ幅が狭いほど良くてオイル粘度はあまり必要ありません。逆にオイル粘度が薄いほど抵抗が少なくなり有利と考え低粘度化がより進みました。わかりやすく言うと薄い板でオイルをかき落とすイメージです。

 ところが最近の研究で現行の「混合潤滑」に対して疑問が出てきました。オイルの消費量増加を防げず摩擦低下に限界があるという問題があり、理論的にも誤りがある可能性が高くなってきました。

 今後再度「流体潤滑」に対応した新しいピストンリングが開発されていくと思われます。ピストンリングの厚みも増しオイル粘度も見直される可能性があります。

 

超超マニア向けおまけ 

LOCLubricating Oil Consumption=オイル消費はリングの張力と関連します。リングの張力を下げると摩擦抵抗は減りますがオイル消費が増えるというトレードオフの関係があります。「流体潤滑」はこれを両立し解決できる可能性があります。

 

 

 

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