2026年4月10日 中東情勢によるオイル供給不足と価格高騰について
2026年4月10日現在の私の個人的な見解です。私の知る範囲での情報をもとに書いているため、不正確な点がある可能性があります。その点をご理解の上お読みください!
A.全体の状況
現在、非常に厳しい状況です。
製油業界では数年に一度、何かしらの原料が不足することがあります。直近では、2021年末から2022年にかけて深刻なギヤオイル不足がありました。しかし、今回の状況はその比ではなく、異次元のレベルの深刻さ です。
過去にもイラン・イラク戦争やクウェート侵攻の際に石油不足が起きましたが、当時は世界の産油量の数%が止まった程度でした。しかし今回は、中東の産油量の約30%が停止する可能性がある と言われており、危機感のレベルがまったく違います。
B.価格の動向
オイル価格は、4〜5月の価格改定に続き、夏にも再度の値上げが行われる可能性が高い と見ています。理由は、2026年3Q(7〜9月)のベースオイル価格がさらに上昇すると予想されているためです。添加剤や容器も値上がり傾向にあります。通常、ベースオイルなどの原材料は価格改定の1か月以上前に見積もりが来ますが、現在は 遡って価格が改定されるケースすらある ような異常事態です。今は「価格よりも原材料の確保を優先せざるを得ない」状況と言えます。(ただ現在は異常事態のため、状況により秋・冬以降は下がる可能性があります)
C.製造と流通の状況
現時点では、各段階にまだ在庫があり、前年並みの量までは製造可能 な状況です。
①ベースオイル
• グループⅠ故障で停止していたエネオス和歌山が4月から再開したため、比較的落ち着いています。
• グループⅡ
供給元の会社により国内在庫が豊富な会社と、供給がタイトな会社があるようです。
• グループⅢ
世界的に不足しています。中東の巨大なグループⅢ(GTL含む)製油所が3か所停止しているためです。日本はまだ「やや不足」程度で済んでいますが、製油所によってはグループⅡに切り替えて製造するケースもあるようです。(弊社では行っていませんが…)
②添加剤
4月初旬時点では、前年並みの供給量が確保されています。ただし、数か月後に影響が出る可能性があります。
パッケージ添加剤(DIパッケージ)は数百種類の原料から構成されており、そのうち1つでも欠けると製造できない ため、供給リスクは読みにくい状況です。
③ 容器
ご存じの通り、ポリ容器が不足しています。意外なところでは、ペール缶の「白い取っ手」も不足しています。さらに、ドラム缶内部を洗浄する溶剤も不足しており、予断を許しません。
ある意味、容器が製造の最大のネックになる可能性 すらあります。また、印刷缶の印刷も溶剤不足で厳しくなってきています。
D. 製造面
どの製油所も大量の発注が一度に入ったことで対応に追われています。中東情勢が起きる前から100%フル操業が続いていたところに、今回の急激な需要増が重なり、完全にパンク状態 です。
この状況が解消するには 1〜3か月程度 かかると見られます。ただし、例年並みかそれ以上の量は製造されていますので、前年通りの数量での発注をお願いしたい ところです。
これ以外に現実的な解決策はありません。
最後に
石油元売りのオイル出荷停止はさらに範囲が広がりつつあります。弊社でも通常の数倍の発注や問い合わせがあり、混乱しております。あらためてこれまで購入されている会社にこれまでの量の発注をお願いします。今の状況は物が不足して製造できない状態ではなく通常の数倍の発注が入ることによる混乱が悪影響となっております。昨年の米不足とおなじです!!価格も秋冬以降下がる可能性があります。冷静な対応をよろしくお願いします。
(弊社の状況についてはHPの「おしらせ」からご確認ください)
