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硫酸灰分とは? 悪者?正義の味方?

DPFやGPFの目詰まり原因として、硫酸灰分(SA)はしばしば悪者扱いされています。しかし本当にそうでしょうか?実は悪影響ばかりが注目されますがSAにはエンジン保護に有用な面も多く含まれています。

それぞれのオイル規格では下記のように硫酸灰分(SA)量の上限値が決められています。

オイル規格

SA上限値(%)

備考

ACEA A3/B4

1.0~1.6

高SAPS 高保護性能

ACEA C3/C5/C6

≦0.8

低SAPS DPF対応

DL-1

≦0.6

DPF対応規格(日本)

SP

規定なし

API規格

SQ

≦0.9

API新規格

 

よく誤解されますが新油の時はどんなオイルでも硫酸灰分は0%です。これが走行により、ガソリンや軽油が燃焼することで硫酸分や硝酸分など酸性物質ができます。これがオイルにたまるとエンジンを腐食させるため、酸性物質を中和するためアルカリ分が添加剤として入っています。そして酸性物質を中和すると硫酸灰分が出来ます。つまり硫酸灰分量が多いということは中和させる能力が強いオイルということです。また清浄剤の主成分として、エンジン内をきれいに保ちます。

硫酸灰分にはDPFやGPFを詰まらせたりエンジン内に灰分がたまるという悪い面もありますが、逆にエンジン摩耗を防いだり、エンジンをきれいにする良い性能もあるのが硫酸灰分で、基本的に量が多いオイルの方がエンジン摩耗には強いです。

 

どうですか?硫酸灰分DPFやGPFを詰ませますが、けっして悪者ではありません。本当はエンジンにとって良い面が多くありうまく活用することでエンジン摩耗を減らすことが出来ます。

 

おまけ DPFを詰まらせる原因の中で硫酸灰分はわずか14%です。多くの原因は走行状態やベースオイルの性能など他の部分にあります!!

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