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多層フラーレン構造二硫化タングステン その6  多層と単層の違い 食い込み! 

多層フラーレンのクッション効果

 

弊社の添加剤T-BOOSTの主原料「無機多層フラーレン構造二硫化タングステン IF-WS2」は十数層に重なった多層が特徴です。今回は単層フラーレンと多層フラーレンの違いの2回目です。前回は大きさによる摩擦係数の違いについて書きましたが今回は摺動面(しゅうどうめん)に対する食い込みについて書きます。

そもそもフラーレンが摩擦係数を下げる効果は ①スライディング効果 つまり2つの金属間に丸いボールが入り込み横滑りする ②ローリング効果 金属間で丸いボールが転がる効果 ③クッション効果 金属間でボールがクッションのように伸縮する効果 などがあります。

①と②は前回単層と多層の大きさによる違いを書きましたが今回は③のクッション効果です。

単層フラーレンでは大きさが小さいのと単層のためクッション効果が少なく、単層フラーレンC60では1GPaという圧力がかかると金属表面に単層フラーレンが食い込む現象が起きます。しかし多層フラーレンではボールの大きさがありかつ十数層の多層のため押されても元に戻るクッション性に優れていて、2GPaというすごい高圧がかかっても食い込みません。ここが単層と多層の大きな性能の違いです。ちなみに自動車のデフでは1GPa程度の圧力がギア歯面にかかります。つまりギア歯面では単層フラーレンは食い込みますが多層フラーレンなら食い込むことが無く摩擦を減らしさらに金属同士の接触を防ぎます。

 

おまけ 摩擦低減に良く使用されるモリブデンはボール状ではなく板状ですが、この板状のモリブデンも金属面にグサグサと食い込みというか刺さります。

 

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