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極圧添加剤とは 広い意味と狭い意味 選ぶときの時の注意点とは

極圧添加剤=極圧剤は金属同士がゴリゴリこすれあうような厳しい状況で摩擦、摩耗の減少やエンジン、ギアなどの焼付きを防止するためにオイルに添加される添加剤で別名、耐荷重添加剤ともよばれ、広い意味では ①油性剤 ②耐摩耗剤 ③極圧剤(極圧添加剤)があり順番に大きな荷重に耐えることが出来ます。①油性剤にはエステルなどがあり摩擦を低減しますが摩耗にはあまり効果がありません ②耐摩耗剤は摩擦によりすり減る磨耗を防止し ③極圧剤は焼付きを防止します。

広い意味では①②③をいいますが、多くの場合は③を極圧剤と呼び代表的なものに硫黄系、リン系、そして現在使用できない塩素系などがあります。この狭い意味での極圧剤は金属同士がこすれあうことで発生する非常に高い温度で激しい化学反応を起こし金属と化合します。これを「活性化」といいます。この活性化する温度は適用温度ともいわれ添加剤の種類によりことなります。それが下記の表です。

 

 

 

 

極圧剤を選定するときは「活性化」温度と「反応速度」を考える必要があります。ゴリゴリと金属がこすれて高温になった時に一瞬で「活性化」して摩耗や焼け付きを防ぎ、それ以外の時は「不活性状態」で無駄にエンジンやギアを腐食させないことが大切です。この選定を間違えると要らないときに金属と化合し、必要な時に化合しません。極圧剤は効果も絶大ですが、副作用も大きい取り扱い注意の劇薬です!!

 

おまけ 

塩素系極圧剤の「塩素化パラフィン・通称エンパラ」は一部マニアには超有名でした。エンパラは低温から強烈に活性化して一瞬で、融点約1500℃の鉄を300℃で溶ける塩化鉄に変えます。ライターの炎(800~1000℃)で鉄は溶けませんが塩化鉄なら軽く溶けます。そのため「焼け付きかけたエンジンが復活!すごいぞ!!」となりますがすぐにクリアランスが狂いエンジンはボロボロです!

 

おまけ2

塩素系はかなり前から環境問題で使用出来ません。ただ工業用としては塩素でないと製造出来ない製品があるため塩素系が一部使用ています。ただ塩素を含む廃油は特別な処理業者で処理が必要です。そのため工業用でも出来るだけ塩素系極圧剤の使用を少なくする方向で現在多層フラーレン構造二硫化タングステンが代替品として注目されています

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