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ギアオイル その1 ギアオイルの特徴 エンジンオイルとの違い

アンドレ・ザ・ジャイアントは強かった!

 

「ギアオイル」はミッション・デフ・トランスファーに使用され「ミッションオイル」「デフオイル」とも呼ばれます。高荷重、高負荷と言う厳しい状況下で力を発揮するすごい体力があるまさにプロレスラーのようなオイルです。

ギアオイルがエンジンオイルと異なる点は ①極圧剤が大量に入っている ②粘度指数向上剤が超高性能 です。

①ギアオイルの独特の臭いは大量に添加されている硫黄系を中心とした極圧剤の臭いです。極圧剤とは金属と金属が強い圧力でゴリゴリ擦れ合う「境界潤滑」状態で金属同士が焼け付かないように働く最後の砦です。ただ簡単に言うと金属表面を溶かすことで効果を出しています。金属同士がゴリっとすれあい高い熱と圧力が発生した時、その部分だけに反応して硬い金属表面をまるでバターのように変化させてするっと滑るようにします。

②は製造者しかわかりませんがギアオイル用の粘度指数向上剤はエンジンオイル用よりも非常にせん断しづらい(ポリマーが切れにくい)高性能品を使用します。これはギアがまるで包丁でぶった切るように粘度指数向上剤をせん断(切る)するからです。エンジンオイル用を使用すると瞬殺されます。ちなみに粘度指数向上剤の性能はせん断安定性(SSI)で表しますが、エンジンオイル用とギアオイル用ではそもそもテスト方法から違い、エンジンオイル用テストで好成績でもギアに入れると持ちません!

 

おまけ

ではなぜエンジンオイルにギア用の高性能粘度指数向上剤を使用しないのでしょうか?

答えは添加量が数倍から10倍程度必要になるためです。せん断安定性の良い粘度指数向上剤とは分子量が小さくて長さが短くなっています。そのため切れにくいですが逆に短いため増粘率(シックレート)が悪く大量に使用が必要となりかえってオイルの性能が悪くなりコストもかかるため使用しません。何事にも良い面と悪い面がありバランスが大切です。

 

次回はギアオイルの規格について書く予定です。お楽しみに!

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